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国内・海外ニュース

こんな年

 国内ニュース。80年代最後の1989年は「激動の90年代」を予感させるかのように“変革”の嵐が吹き荒れた。「昭和天皇」のご逝去、続く史上最大規模の大喪の礼には、ブッシュ米新大統領夫妻ら元元首級使節が世界各国から多数参列、国際社会における日本の“姿”を垣間見せた。しかし国論は、リクルート疑惑や消費税をめぐる“永田町政治”に強く反発し、参院選では、ついに与野党勢力が逆転、1年に3内閣が変わり政党指導者も次々に交代するなど「平成新時代」は、波乱の幕開けとなった。また、総評も、39年の歴史を閉じて「新連合」が発足、昭和史を代表する国民的歌手や経営の神様らが逝くなど、時代の移り変わりを思わせた。一方、礼宮さまのご婚約、女性の進出、大型景気の持続や各地の博覧会開催など明るい話題の半面、悲惨な殺人事件や“金満日本”に対する海外の反発など、混迷する時代相もうかがわせた。
 海外ニュース。地球的規模で吹き荒れた“変革の嵐”は、東欧市民の民主化運動を爆発させ、共産党の一党独裁体制に次々と風穴を開けた。「連帯」内閣誕生をきっかけに、大きく踏み出したポーランドの体制離脱の動きは、東欧のほぼ全土へと広がり、東欧冷戦の象徴“ベルリンの壁”は消え“プラハの春”が復権、チャウシェスク独裁体制も倒れた。軍事から経済・民主重点へのペレストロイカ(立て直し)を目指すソ連のゴルバチョフ議長は、アフガンからの完全撤退、中国との国交正常化、軍事力の削減、ローマ法王との歴史的和解などを演じて地中海での米ソ首脳会談に臨み、ブッシュ米大統領とともに東西の冷戦終結を宣言、世界は「ヤルタからマルタ」の新体制へ歩みだした。しかし、ソ連のペレストロイカの難航や、中国の天安門事件は、共産圏内部における保守派勢力の根強さを示した。また、パナマへ軍事侵攻し、フィリピンの反乱に介入した米国の動きは、大国の“力の外交”を見せつけるもので、国際政治の現実の厳しさをうかがわせた。(1989.12.30中日新聞朝刊より)

その他の世相

任天堂が「ゲームボーイ」発売/歌手の美空ひばりさん死去/童話「一杯のかけそば」が話題に/ヒット曲…光GENJI「太陽がいっぱい」、Wink「淋しい熱帯魚」/ヒット映画…「魔女の宅急便」、「ブラック・レイン」/ヒットドラマ…「春日局」/新語・流行語…「セクシャルハラスメント」、「オバタリアン」

プロ野球優勝チーム(☆は日本一)=☆巨人(藤田元司)/近鉄(仰木彬)

中日(星野仙一)順位=3位

高校野球甲子園優勝校=春/東邦(愛知)・夏/帝京(東東京)

往く人

サルバドール・ダリ(画家、84歳 1.23)、手塚治虫(漫画家、60歳 2.9)、松下幸之助(実業家、94歳 4.27)、美空ひばり(歌手、52歳 6.24)、松田優作(俳優、40歳 11.6)、開高健(作家、58歳 12.9)

国内ニュース

国内

昭和天皇崩御、皇太子即位、『平成』新時代へ。(1月)

国内昭和天皇崩御、皇太子即位、『平成』新時代へ。(1月)

 昭和天皇は1月7日早朝、87年の生涯を終えられた。在位62年余、第二次世界大戦、敗戦、復興と激しく動いた「昭和」が終わった。直ちに即位された新天皇陛下は「皆さんとともに日本国憲法を守ります」と「平成新時代」を宣言。皇室関連では9月にキャンパスの恋を実らせた礼宮さまと川嶋紀子さんの結婚が正式に決まった。(写真は、首相官邸で新元号「平成」を発表する小渕恵三官房長官)

国内参院選で与野党逆転、1年に3内閣など政界大変動

 リクルート、消費税、農政など“永田町政治”に反発する世論は、社会党を躍進させ、参院選では自民党に歴史的敗北を与え、与野党勢力逆転させた。竹下内閣に続く宇野政権も総辞職に追い込まれ、初の昭和生まれの宰相・海部俊樹氏を選んだ。この間、政党指導者が相次いで交代するなど政界は激変を続けた。

国内

消費税スタート、野党は「廃止」、与党は「見直し」で攻防(4月)

国内消費税スタート、野党は「廃止」、与党は「見直し」で攻防(4月)

 「公約違反だ」「高齢者社会に必要だ」と世論二分の中で4月1日、消費税がスタートした。医療、福祉、教育を除く取引に3%を課税する消費税は「低所得者に重荷になる」と批判も強く、政府・自民党は「見直し」を表明。一方、野党側は選挙後、多数を占めた参議院で廃止法案を可決したが、衆議院では審議未了で廃案に。(写真は、消費税導入を案内した看板が置かれているレジ=石川県金沢市の名鉄丸越で)

国内東京、埼玉の連続幼女誘拐殺人事件が全面解決

 保育園児の野本綾子ちゃん(当事5歳)ら東京、埼玉の幼女4人の連続誘拐殺人事件は、東京・西多摩郡五日市町の印刷業手伝い宮崎勤容疑者の自供で全面解決した。遺骨を送りつけたり、切断した遺体を放置するなど特異な様相を見えた犯罪史上類のない事件で、中には映像時代の孤独と屈折した心理が隠されているなどの議論を呼んだ。

国内総評解散、新連合スタート、労働界の再編成進む(11月)

 戦後日本の労働運動を代表してきた総評が、39年にわたる歴史を閉じ、11月に官民の労組が団結する史上最大の全国組織「日本労働組合総連合会(新連合)」が発足。12月には共産党系の「全国労働組合連合(全労連)」(同)社会党左派系の「全国労働組合連絡協議会」も旗揚げし労働界は三極構造に塗り変わった。

国内リクルート事件強制捜査終結、4ルート公判で全容解明へ

 非公開株をめぐり8カ月余にわたった東京地検特捜部のリクルート事件捜査は5月末に終結、元内閣官房長官ら12人が掲示訴追され、ロッキード疑獄に匹敵する贈収賄事件となった。還流株取得の13政治家のうち訴追は2人にとどまった。裁判は11月から開始され、ほぼ全被告がわいろとしての株収受を否定、全面対決の展開となった。

国内吉野ケ里遺跡は最大級の環濠集落、奈良では藤原麻呂邸跡も

 発掘調査が続く吉野ケ里遺跡(佐賀県神埼郡)は、弥生時代後期としては最大規模の環濠集落とわかり「魏志倭人伝に記された“クニ”の中心部の一つか」など邪馬台国論争に一石を投じた。また奈良の平城京跡では、出土した木簡から、長屋王邸の隣に藤原麻呂邸があったことがわかり、歴史へのロマンを広げた。

国内大型の好景気が続き、深刻な人手不足も

 日本経済は、年度当初の消費税導入による一時的な景気の落ち込みを克服、個人消費と設備投資の順調な伸びに支えられ、1986年11月から37カ月連続して拡大。岩戸景気(58年6月から42カ月)に迫る勢いとなっただが、企業などの人手不足も深刻化した。

国内ベトナム“偽装難民”続々と日本へ

 ベトナム難民が日本に相次いで漂着。この中に中国からの“偽装難民”が1600余人もいることがわかり、政府・自治体は対応に追われた。ほとんどは、中国の経済停滞を背景にした日本への“出稼ぎ”が目的で、日中両国政府協議による強制送還で、難民流入はやっと下火に。しかし“ハイジャック難民”も出て問題が複雑化。

国内

戦後昭和を代表する国民的歌手、美空ひばりさん逝く(6月)

国内戦後昭和を代表する国民的歌手、美空ひばりさん逝く(6月)

 戦後日本とともに歩み続けた「昭和」のシンボル、天才少女歌手としてデビュー、常に“女王”の位置を占め続けた美空ひばりさん(本名=加藤和枝・52歳)が6月24日逝った。「悲しき口笛」「リンゴ追分」など人生の哀歓を歌った“ひばり節”は、焦土の中からの軌跡の復興に立ち上がった日本人の希望の灯となり、心の支えともなっていた。(写真は、美空ひばり追悼特集の雑誌類)

国内女性の時代、初の女性官房長官誕生やセクハラ訴訟も

 台所を直撃した消費税や宇野首相の「女性問題」が女性の怒りに火をつけ、7月の東京都都議選では大量のマドンナ議員が誕生。同月末の参院選でも過去最高の22人の女性候補が当選。落ち目の自民党も、官房長官に初めて女性を起用した。福岡では女性のセクハラ訴訟もあって、「女性の時代」とも言われた。

国内伊東市沖で海底火山爆発、三陸沖では群発地震

 7月13日、群発地震に続き火山性微動が起きていた静岡県伊東市沖の北東約3・2キロ、水深100メートルで海底火山が爆発した。伊豆単成火山群としては有史以来初の噴火で、「手石海丘」と命名。三陸沖の群発地震では、11月2日にマグニチュード7・1が発生、東北沿岸に津波警報が発令され、岩手県宮古湾で56センチの津波を観測した。

国内

千代の富士965勝 最多勝新記録

国内千代の富士965勝 最多勝新記録

 大相撲の西横綱千代の富士(当時34)=本名・秋元貢、北海道出身、九重部屋=は9月22日、東京・両国国技館での秋場所13日目で巨砲を下し、無傷の13勝目を挙げて、二場所連続29度目の優勝を決めた。同時に通算勝利を965と伸ばし、最多通算勝利記録の史上単独1位に立った。(写真は、巨砲を豪快なすくい投げで破り、史上最多の965勝とV29を同時に達成した千代の富士のメモリアル一番)

海外ニュース

海外

東欧の民主化激進“ベルリンの壁”消える。

海外東欧の民主化激進“ベルリンの壁”消える。

 ソ連のゴルバチョフ最高会議議長が推進する「改革」が東欧諸国の民主化要求運動に波及、共産党の一党支配体制が崩れ始めた。ポーランドでは「連帯」主導政権が誕生、チェコスロバキアではヤケシュ政権が倒れて「プラハの春」が再現、東ドイツは西側への出国を自由化、“ベルリンの壁”が事実上消えた。(写真は、花束で歓迎を受け喜びを体で表す西側へ出た人々)

海外中国で天安門流血事件、鄧小平氏が引退表明

 胡耀邦元総書記の死をきっかけとした学生らの民主化要求運動は、ソ連議長の訪中時に最高潮に達し、当局は6月4日天安門広場のデモ隊を武力で鎮圧。これを非難する西側各国は経済制裁を行った。党首脳部は民主化をめぐって対立、趙紫陽氏が失脚、江沢民総書記を中心とする保守派新体制が発足し、鄧小平氏は引退を表明した。

海外米ソ首脳会談で“冷戦終結”を宣言、ヤルタからマルタ新体制へ(12月)

 1月に就任したブッシュ米大統領とゴルバチョフ・ソ連議長は、地中海のマルタで2日間の船上会談を行った。終了後、記者会見に臨んだ両首脳は、40年間にわたるヤルタ体制を清算して冷戦時代を終結させることを宣言。「米ソが協力して永続的な平和を追求」する「対話と協調」のマルタ新体制への移行を強調した。

海外アフガニスタンからソ連軍完全撤退、軍事介入に終止符(2月)

 2月15日、79年末からアフガニスタンへ侵攻、駐留を続けていたソ連軍部隊が完全撤退した。しかし、ソ連はナジブラ政権に軍事援助を続け、米もイスラム反政府ゲリラに武器供与して対抗、さらにゲリラ内部の主導権争いも激化して、内戦は泥沼化。隣国のパキスタン、イランにいる難民の帰国も進まなかった。

海外ソ連のペレストロイカ進展。ゴルバチョフ議長がローマ法王と歴史的握手

 軍事から経済・民生重視のペレストロイカ(立て直し)を推進するソ連のゴルバチョフ議長は、国内では「土地法案」などの政策を強力に進め、外に向っては、クレムリン最高指導者としては初めて、ローマ法王ヨハネ・パウロニ2世と会談、ロシア革命から70余年にわたる対立関係に終止符を打ち、歴史的和解を達成した。

海外ルーマニアで大量流血の民主化。弾圧の大統領夫妻は処刑(12月)

 ルーマニアの西部都市チミショアラで反政府デモが発生、政府治安部隊が武力弾圧して、中国・天安門を上回る流血の惨事となった。憤激した民衆による救国戦線評議会は首都はじめ全土で民主化運動を展開、チャウシェスク夫妻を処刑して独裁政権と決別した。新政権はイリエスク議長のもと、翌年の自由選挙に臨むことになる。

海外フロン全廃など地球的環境保護と汚染追放に世界宣言と条約

 地球環境保全の議論が世界的に高まりを見せ、相次いで国際会議が開かれた。3月にはロンドンのオゾン層保護国際会議では、フロンガス全廃で合意。5月、モントリオール条約議定書締約国会議でも同趣旨のヘルシンキ宣言を採択。3月、オランダのハーグで開かれた環境首脳会議では地球の温暖化防止のための国際条約を呼び掛ける宣言を採択した。

海外中ソ首脳会談で30年ぶりの国交正常化(5月)

 ゴルバチョフ議長は5月、ソ連最高首脳として30年ぶりに中国を訪問、鄧小平中央軍事委主席との会談で、党、国家関係を含めて全面正常化で合意し、歴史的な和解を実現した。同議長は、また人民大会堂で演説、1989年-90年に極東のソ連軍兵力12万人と太平洋艦隊の艦艇16隻の削減を発表した。

海外イランが『悪魔の詩編』の作者に死刑宣告。ホメイニ師死去で新体制

 イランの最高指導者ホメイニ師が、英在住作家ラシディ氏の小説『悪魔の詩編』は、「イスラム教を汚すもの」として全世界の信徒に著者の暗殺指令を出し、西欧との“文化対決”にまで広かった。しかし6月、ホメイニ師は心臓病のため86歳で死去。後継のラフサンジャニ大統領はソ連との国交を正常化した。

海外米軍がパナマに侵攻、ノリエガ独裁体制崩れる(12月)

 12月20日、米政府が米人保護と最高実権者ノリエガ将軍の身柄拘束を理由に、中米パナマに武力侵攻。全域を制圧したが、将軍はパナマのバチカン大使館に政治亡命を求めた。米政府は、身柄引き渡しを求めた。

海外フィリピンで反アキノ派国軍が反乱(12月)

 12月、フィリピンでアキノ政権発足以来、6度目のクーデータが発生、国軍将校を中心とした反乱軍は空港やテレビ局を占拠し大統領府にも爆撃を加えた。アキノ大統領は在比米軍の援助を要請、6日後に反乱軍を鎮圧したが、対外的信用は失墜した。マニラ在住の日本人や観光客がホテルに缶詰になる事態も起きた。

海外サンフランシスコで大地震。2階建て高速道路倒壊、死者も(10月)

 10月、米サンフランシスコ一帯でマグニチュード6・9の地震が発生、死者60余人、負傷者は3000人に上った。高速道路の高架部分と端が2カ所で崩落し、通行中のマイカーが押しつぶされたり、海中に振り落とされた。新しい建築物や地下鉄は無事だったが、コンピューター回線が寸断され経済生活が混乱した。

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