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国内・海外ニュース

こんな年

 国内ニュース。世界の変革の嵐に巻き込まれるように時代が移った平成2年目の1990年は、イラクの突然のクウェート侵攻、併合による湾岸危機で、日本全体が揺れ動いた。特にクウェート在住の213人を含む日本人が、西側諸国の“人質”と同じく、最後まで軍事拠点に拘束され、日本の平和貢献策の在り方と重ねて、世界の注視を集めたことは、わが国が、国際国家としての役割をいや応なく担わされる立場にあることを端的に示す事件となった。しかし、政府・与野党は、冷戦終結後の新しい世界の枠組みに沿う“平和への指針”は示し得ず、自衛隊の海外派遣をうたう国連平和協力法案は“衆参ねじれ国会”現象もあって廃案となった。またこの湾岸危機は、原油輸入と株・土地に偏った“バブル(泡)経済”の弱点をさらけ出した。この中で、天皇陛下は内外に「即位」を宣明され、礼宮さまのご結婚、普通の放送記者の宇宙初飛行、アジア隣国との関係改善、ソ連少年のやけど手術で進んだ“日ソ親善の架け橋”、花の万博など明るい話題もあったが、異常気象、外圧に揺れる商慣習や農業・経済構造、金融・証券・政治がらみの不正事件などが続き、今後に問題を残した。
 海外ニュース。冷戦の終結が現実のものとなり、その明るい見通しに期待を高めていた世界に、イラクのフセイン大統領が冷水を浴びせた。突如、クウェートに侵攻して併合を宣言、全面撤退を迫る国連や米国などと、日本人を含む外国人“人質”を盾に対決を続け、“人質”は解放されたものの、ペルシャ湾岸情勢は緊迫が続いた。こうした中で、第二次大戦後、45年間にわたり分断されていた東西両ドイツの統一が実現、新生「ドイツ連邦共和国」がスタート。しかし、ゴルバチョフ・ソ連大統領のペレストロイカ(立て直し)は思うように進まず、経済危機の深刻化、保守派の巻き返しあって苦境に立たされる。このため、欧州の新秩序構築を目指してパリで開かれた全欧安保協力会議(CSCE)首脳会議が“パリ憲章”を採択し、ワシントンの米ソ首脳会談では戦略兵器削減条約(START)の早期調印に合意。しかしながら“冷戦後”の先行きには微妙な影を投げかけられた。一方、ゴルバチョフ大統領は、盧泰愚韓国大統領と会談して国交を正常化。韓国は中国に貿易代表部を設置、日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との正常化交渉と併せて、アジアにも緊張緩和の動きが具体化した。(1990.12.29中日新聞朝刊より)

その他の世相

「ちびまる子ちゃん」アニメ放送開始/ローリング・ストーンズ初の来日公演/ヒット曲…B.B.クィーンズ「おどるポンポコリン」、たま「さよなら人類」/ヒット映画…「プリティ・ウーマン」、「トータル・リコール」/ヒットドラマ…「渡る世間は鬼ばかり」「凛凛と」/新語・流行語…「ファジィ」、「オヤジギャル」

プロ野球優勝チーム(☆は日本一)=巨人(藤田元司)/☆西武(森祇晶)

中日(星野仙一)順位=4位

高校野球甲子園優勝校=春/近大付(大阪)・夏/天理(奈良)

往く人

キース・ヘリング(画家、31歳 2.16)、池波正太郎(作家、67歳 5.3)、藤山寛美(喜劇役者、60歳 5.21)、高峰三枝子(女優、71歳 5.27)、土門挙(80歳 9.15)

国内ニュース

国内

礼宮さまと川嶋紀子さんのご結婚、天皇陛下が「即位の礼」と「大嘗祭」

国内礼宮さまと川嶋紀子さんのご結婚、天皇陛下が「即位の礼」と「大嘗祭」

 皇位継承を内外に宣明する新憲法下初の「即位の礼」と「大嘗祭」が、皇居に158カ国・2国際機関代表らを招いて行われた。過激派のゲリラ事件を挟み、様々な議論も出たが、天皇陛下は「憲法遵守」を宣言され、次男・礼宮さまと川嶋紀子さんのご結婚、秋篠宮家の創設と併せて、内外から祝福を受けられた。(写真は、礼宮、紀子さまご結婚 ごあいさつのため皇太子さまのお住まいを訪問される秋篠宮ご夫妻)

国内中東湾岸危機で、自衛隊派遣めぐる憲法論争、日本人人質全員解放

 イラクのクウェート侵攻と“人質”作戦に対し、政府は石油など輸出入の全面禁止、借款供与凍結などの経済制裁と合計40億ドルに上る多国籍軍支援・周辺国援助を決めたが、自衛隊の海外派遣を含む日本の平和貢献策で与野党憲法論戦となり、国連平和協力法案が廃案となり、仕切り直しに。この間に、日本人“人質”は全員解放された。

国内総選挙で自民安定、社会大躍進、公・共・民後退

 90年代初の総選挙は、自民が安定多数確保(追加公認含め286議席)社会大躍進、公明・共産・民社が後退し、衆院は与党、参院は野党優勢の“ねじれ現象”が定着(2月18日)。政治改革推進を掲げる第2次海部内閣は一時、歴代最高の支持率を挙げ、欧米、アジア、中東を歴訪、首脳外交を展開した。

国内日本と北朝鮮(略称)が国交正常化で合意、富士山丸船長帰国

 金丸元副総理と田辺社会党副委員長ら自社訪朝団が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で金日成主席ら労働党幹部と会談、両国国交の早期樹立、戦後45年間の“謝罪と償い”を含めることで合意。懸案の第18富士丸も決着、10月11日に紅粉船長らが帰国。11月には金丸氏の訪韓釈明を挟んで政府間交渉が開始された。

国内公共投資総額430兆円などで日米構造協議決着。摩擦は続く

 6月28日の日米首脳会談で「全力取り組み」を約束しあった日米構造協議が、大店法規制緩和の合意に続いて「最終報告書」をまとめ、今後10年間の公共投資総額430兆円、特許審査期間の短縮、土地税制の総合見直しなどで昨年来の協議に決着をつけた。しかしコメ問題などをめぐる“摩擦”は続いた。

国内新土地保有税(地価税)導入へ、全国的な地価高騰に対応

 国土庁発表の90年公示地価と基準地価が、ともに調査開始以来、全国的に最高騰(公示地価は住宅地全国平均17.0%、基準地価同13.2%上昇)、政府・自民党は税制調査会の答申を得て新土地保有税(地価税)の平成4年導入方針を打ち出し、税制面から“土地神話”を崩す作戦に出たが、財界・党内には反対もあった。

国内暴力による言論封殺に懲役刑、長崎市長狙撃犯に判決

 長崎市議会で“昭和天皇の戦争責任”に触れた木島長崎市長が1月18日、右翼団体「正気塾」幹部に短銃で撃たれ重傷。長崎地裁は「言論の暴力的封殺は許せぬ」と田尻被告に懲役12年を言い渡した。また、名古屋市の自衛隊記念式会場では、丹羽兵助元労相が刺され、輸血ミスも重なって入院先で死去した。

国内株仕手集団らが企業乗っ取り、金融・証券・政界にメス

 株仕手集団・光進グループの国際航業乗っ取り事件に絡んで小谷光浩代表ら多数が逮捕。操作の過程で、住友、三井信託銀行など金融・証券界の巨額不正融資などの事件が発覚、10月7日に磯田住銀会長が引責辞任。過大土地投資の伊藤万では専務・名古屋支店長が自殺、稲村元環境庁長官も脱税容疑で起訴された。

国内京大・信州大などで生体肝移植続く、初例ら4人が死亡、術後に問題

 日本移植学会、東大医科学研究所、阪大などが、脳死者臓器の移植に積極姿勢をみせる中で、京大付属病院が7割、信州大では3例に、親の生体肝の一部を移植、合計11件の手術が行われたが、昨年行われた初例の島根医大の杉本裕弥ちゃん、7例目の窪田嵩大ちゃんら4人が相次いで死亡、術後管理を含めて問題を残した。

国内天皇陛下が韓国大統領夫妻に“痛惜の念”

 外相定期協議で、在日韓国人三世以降の指紋押なつ免除と永住権の自動承認で合意した日韓両国は、「天皇の誠意あるお言葉」を求める盧泰愚大統領夫妻の来日を機会に、天皇陛下が宮中晩さん会のお言葉で「不幸な過去に痛惜の念を禁じ得ない」と“謝罪”、大統領の初の国会演説などで新しい関係に入った。

国内「岩戸」超す戦後2位の好景気も株暴落、原油高などでかげり

 86年12月から続き、戦後史上2位の「岩戸景気」を超した(6月)好景気も、一時2万円の大台割れを演じた株式暴落、中東湾岸危機による原油値上げ、金利高などが重なり、消費支出、企業収益ともにスローダウン。消費者物価指数も前年同月比で大幅上昇、米経済の減速もあって、さしもの景気に“かげり”が出てきた。

国内

日本人初の宇宙飛行は普通の放送記者(12月)

国内日本人初の宇宙飛行は普通の放送記者(12月)

 東京放送記者・秋山豊寛さんが、ソ連ソユーズTM号に同乗して宇宙ステーション・ミールとドッキング、普通のおじさんの放送記者が日本人として初の宇宙飛行、“率直な宇宙体験”を同時中継、無事帰還した(12月2日~10日)。92年打ち上げ予定の米スペースシャトルに北大前助教授毛利衛さんの搭乗が決まっていたが、これに先行した。(写真は、帰還カプセルから両わきをかかえられて姿を現した秋山豊寛さん)

海外ニュース

海外イラクのクウェート侵攻で中東湾岸危機、緊迫強まる

 8月2日、イラクが突如、クウェートに侵攻・併合、日本人を含む在住外国人を軍事拠点に拘束、多国籍軍攻撃への“人質”とした。各国は国連安保理を舞台に経済制裁と武力行使容認決議を求めたが、フセイン・イラク大統領は“人質”解放作戦やパレスチナ問題などを巧みに利用、和戦両様の駆け引きで緊迫の情勢が続いた。

海外東西ドイツが分断の歴史に幕、ドイツ連邦共和国誕生(10月)

 “冷戦”の象徴だった東西ドイツが戦後45年の分断の歴史に幕を閉じ「ドイツ連邦共和国」として統合・誕生した(10月3日)。前年11月の“ベルリンの壁崩壊”から通貨・経済統合、北大西洋条約機構加盟容認と難関を突破、名実ともに欧州の巨大国家に生まれ変わった。

海外ソ連大統領のペレストロイカ苦境に、ノーベル賞授賞式も断念

 一党独裁放棄、憲法改正など歴史的改革を背景に初代大統領に就任したゴルバチョフ・ソ連共産党書記長は、政府機構の抜本改革などペレストロイカ(立て直し)に強気の構えだが、バルト3国の独立運動、保守派の巻き返し、深刻な経済危機が重なって、ノーベル平和賞授賞式出席も断念。シュワルナゼ外相の辞意表明で苦境に陥る。

海外分断と対立から協調へ、欧州全首脳が新時代へ“パリ憲章”調印(11月)

 米ソ和解・冷戦構造の変化に対応する欧州の新秩序構築のための全欧安保協力会議(CSCE)の首脳会議が、北大西洋条約機構(NATO)、ワルシャワ条約機構会議に続いてパリで開かれ、欧州通常戦力削減条約(CFE)に調印、分断と対立時代から、協調・協力関係に入る「不戦宣言」と“パリ憲章”を採択した。

海外米ソ首脳が戦略核大幅削減で合意、「協力新時代」へ共同会見

 ブッシュ米大統領とゴルバチョフ・ソ連大統領がワシントンで会談、化学兵器の生産停止と廃棄協定に調印。米ソ戦略兵器削減条約(START)では早期調印で合意。大幅な核軍縮のもと、米ソ両国は“協力”の新時代に入る決意を両首脳そろいぶみの会見で表明、その後の世界政治の枠組み変化に決定的な影響を与えた(5月31日~6月3日)。

海外韓ソ両大統領が初会談、国交樹立。アジアにも緊張緩和の波

 盧泰愚韓国大統領とゴルバチョフ・ソ連大統領が米国で初の首脳会談、6月4日両国の早期国交樹立に合意。両国外相が国連本部で即日国交樹立のコミュニケに調印。12月、両大統領はモスクワでも会談。日本、北朝鮮の早期国交合意や中韓両国の代表部設置とともにアジアにも緊張緩和の波。

海外“鉄の女”サッチャー英首相が辞任。新首相はメージャー蔵相

 “鉄の女”の異名で「英国病」克服に力を注いだサッチャー首相が保守党党首選挙の第2回投票に出馬せず、11年半にわたった政権の座から降り、11月28日子飼いのメジャー首相が新首相に就任。新地方税(人頭税)の施行や欧州共同体(EC)の統合方針に反対していたサッチャー首相の政策に閣内から反発が出ていた。

海外ペルー新大統領に日系フジモリ氏が当選、故国へ支援要請

 ペルー大統領選の決戦投票で、6月10日、日系2世のアルベルト・フジモリ前国立大学協会長が当選。就任式前に故国・日本を訪問、海部首相らに経済再建への協力を要請するとともに両親の故郷・熊本県を訪ねて帰国、ペルーの政治腐敗一掃、経済立て直しを誓った。

海外韓国と北朝鮮(略称)が首相会談、スポーツも交え南北統一を模索(9月)

 韓国と北朝鮮が分断後、初の南北首相会談をソウルと平壌で順次開き、両国の外相が金日成主席、盧泰愚大統領とそれぞれ会見、南北の関係改善と早期首脳会談を希望し合った。北京のアジア協議大会では、両国の合同応援団を結成、スポーツ交流を通じて統一機運を盛り上げた。

海外

南ア黒人組織最高指導者マンデラ氏釈放、日本など各国を歴訪

海外南ア黒人組織最高指導者マンデラ氏釈放、日本など各国を歴訪

 2月、南アフリカのデクラーク大統領が、終身刑で服役中の黒人解放組織アフリカ民族会議(ANC)最高指導者ネルソン・マンデラ氏を無条件で釈放。非常事態宣言も全面解除し、黒人勢力との交渉へ向けて環境を整えた。マンデラ氏は民族会議副議長として、欧米諸国と日本を訪問、人権尊重を訴えた。(写真は、来日歓迎ライブコンサートの舞台で、出演者とともに歌うネルソン・マンデラ氏)

海外戒厳令解除の北京市でアジア競技大会、史上最多の参加

 1月11日、天安門事件以来の戒厳令を解除。米国大使館が保護していた反体制学者方励之夫妻の出国を認めるなど、西側との関係改善に努めた中国は、北京市で第11回アジア協議大会を開き、金メダルをほぼ独占する強さ。大会には史上最多の37カ国・地域から6000人余が参加、湾岸侵攻のイラクは締め出し。

海外英仏海峡結ぶ海底ユーロトンネル貫通、欧州統合促進の象徴(12月)

 12月1日、ドーバー海峡を結び、英国と欧州大陸を陸続きにする海底ユーロトンネルが88年1月の工事開始から35カ月ぶりに貫通。現場とフランス側入り口となるカレーで盛大な記念式が開かれた。

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