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国内・海外ニュース

こんな年

 1991年は“統合と分断”が同時進行する激動の1年であった。イラク空爆で始まった湾岸戦争は国連統合に成功した多国籍軍が勝ち、東西欧州の軍事機構解体は新しい「超国家連合」への歴史的実験を促した。この流れはアジアにも及び、南北朝鮮の和解などに確実に現れた。クーデター失敗に続く旧ソ連の変革は、ついに超大国ソ連邦を消滅させ、ユーゴなどとともに“分断”の相克が続いた。こうした中で、湾岸戦争は、巨額な戦費負担や貢献策をめぐって“戦争と平和論”に広がり内外に波紋を描いた。一方、戦後最長の好況を続けた日本経済は、証券・金融不祥事が続出して後退、バブル経済が弾け、雲仙大火砕流や信楽高原鉄道事故は暗い思いを残した。しかし、大相撲の“若・貴”人気などは希望と期待を与えた。(1991.12.30中日新聞朝刊より)

その他の世相

「ジュリアナ東京」がオープン/SMAPがCDデビュー/ヒット曲…KAN「愛は勝つ」、北島三郎「北の大地」/ヒット映画…「おもひでぽろぽろ」、「ターミネーター2」/ヒットドラマ…「101回目のプロポーズ」、「東京ラブストーリー」/新語・流行語…「…じゃあ~りませんか」「若貴」「僕は死にましぇ~ん」

プロ野球優勝チーム(☆は日本一)=広島(山本浩二)/☆西武(森祇晶)

中日(星野仙一)順位=2位

高校野球甲子園優勝校=春/広陵(広島)・夏/大阪桐蔭(大阪)

往く人

井上靖(作家、83歳 1.29)、安倍晋太郎(政治家、67歳 5.15)、本田宗一郎(実業家、84歳 8.5)、マイルス・デイヴィス(奏者、65歳 9.28)、フレディ・マーキュリー(ミュージシャン、45歳 11.24)、相田みつを(書道家、67歳 12.17)

国内ニュース

国内バブル経済はじけ、証券・金融不祥事続発

 絵画取引やゴルフ場開発など不正で巨額な投融資事件が次々に明るみに出る中、証券業界ぐるみの巨額損失補てんや大手金融機関の架空不正融資事件が発覚、国会の証人喚問やトップ辞任、女性料亭経営者と海外逃亡幹部らの逮捕、銀行員の誘拐などが続き、みせかけの金満経済は“泡”のように崩れた。

国内湾岸貢献策と真珠湾50周年“戦争と平和”論争で内外に波紋

 湾岸戦争支援で政府は90億ドル(1兆1700億円)を支出。ついで人的貢献の声に促されて、4月にペルシャ湾に掃海艇部隊を初派遣。PKO(国連平和維持活動)協力法案の強行採決も演じたが、日米開戦50周年の今をみつめる“戦争と平和”の問題が憲法と交錯して、内外に波紋を描いた。

国内

雲仙・普賢岳で大火砕流、地域被害続く

国内雲仙・普賢岳で大火砕流、地域被害続く

 火山活動が続く長崎県雲仙・普賢岳で大規模火砕流や土石流が次々に発生、報道陣を含む住民40人が死亡、家屋多数が流、焼失するなど地域被害が続出した。山ろくの自治体は立ち入り禁止・警戒区域を設けて市民の安全に努め、各地で支援活動も盛り上がったが、生活を奪われる住民もいて苦悩が続いた。(写真は、火砕流で燃えた小学校)

国内政治改革3法廃案で海部首相が総裁選不出馬、宮沢新内閣スタート

 小選挙区比例代表並立制導入を柱とする政治改革三法案が衆院特別委理事会で廃案とされ、政治改革にかけた海部首相が総裁選不出馬。渡辺、三塚両氏との争いで宮沢喜一元副総理が過半数を超す得票で第78代、49人目の首相に指名され、11月5日に宮沢新内閣がスタートした。

国内『いざなぎ』超す大型景気も減速、地価も下落で土地金融規制緩和

 85年末から続いた大型景気は、戦後最長の「いざなぎ景気」(昭和40年11月から57カ月)を抜き(9月)最長記録を更新したが、7-9月期の実質成長率や景気動向指数が“不況”を示し、地価も下落、景気減速が強まった。政府は不動産融資総量規制を解除するなど“住宅不況”回復に懸命を示す。

国内

信楽高原鉄道で列車正面衝突、死者多数で第3セクター鉄道に衝撃(5月)

国内信楽高原鉄道で列車正面衝突、死者多数で第3セクター鉄道に衝撃(5月)

 5月14日、滋賀県信楽町の信楽高原鉄道で世界陶芸祭に乗り入れのJR快速列車が普通列車と正面衝突、42人死亡、612人負傷の大惨事となり零細第三セクター鉄道に衝撃を与えた。(写真は、信楽鉄道事故の現場)

国内台風と長雨で列島各地に深刻な被害

 台風が多発、長雨も続き、列島各地で被害が続出した。台風12号は17都道府県に大雨被害、台風17-19号は全国で過去最大7200億円の被害をもたらし激甚災害法が発動されたが、野菜など農水産物が高騰、富士五湖が増水、千葉・松戸でトンネル水没事故が起きるなど異常災害が続いた。

国内社会党土井委員長が辞任、田辺新体制へ。“影の内閣”で『日の丸』容認も

 サッチャー人気に並ぶ“おたか”旋風を吹かせた土井社会党委員長が、統一地方選敗北の責めで辞任。7月の委員長選で田辺誠副委員長が上田哲氏を破って第十一代委員長に就任し、11月に再選された。田辺新体制は“影の内閣”を組閣、「日の丸」容認など土井さん置き土産の党改革に取り組んだものの多難。

国内

ソ連ゴルバチョフ大統領夫妻が初来日、北方領土返還協議も主役交代

国内ソ連ゴルバチョフ大統領夫妻が初来日、北方領土返還協議も主役交代

 ソ連のゴルバチョフ大統領がライサ夫人と初めて来日、海部首相と3日間に6回会談、北方四島を領土画定協議の対象とするなど15文書と共同声明を深夜に発表。天皇陛下との会見でシベリア抑留者に「同情の念」を表明、長崎市の平和記念像に献花して帰国したが、その後のソ連政変で主役交代。(写真は、ソ連邦消滅宣言の張り出し号外に見入る人たち。名古屋市中村区の名鉄新名古屋駅<当事>で)

国内

大相撲は“若・貴時代”。“小さな大横綱”千代の富士引退

国内大相撲は“若・貴時代”。“小さな大横綱”千代の富士引退

 18歳7カ月の春場所で入幕・勝ち越し、夏場所初日“小さな大横綱”千代の富士を寄り切り金星、名古屋場所・小結、秋場所・関脇と最年少記録を更新する活躍をみせた貴花田は、千代の富士が引退(5月14日)してからも全国の相撲ファンを熱狂させる。兄・若花田人気と併せて“若・貴時代”を築きあげた。(写真は、「体力の限界…」と引退表明する千代の富士)

国内分裂自民、低迷社会で都知事選は鈴木氏4選、日本一の新宿庁舎入り(4月)

 分裂自民、混迷社会で揺れた東京都知事選は“反中央”で80歳の鈴木俊一知事が自公民推薦の磯村尚徳氏を大差で破り4選。丸の内から新宿に移転した日本一高層で新名所となった新庁舎に入った。一方、社会党候補は、共産党推薦候補に及ばず、小沢自民党幹事長も引責辞任した。

国内福井の美浜原発で国内初の重大事故、緊急炉心冷却装置が作動(2月)

 2月9日、関西電力美浜原発2号機(福井・加圧水型軽水炉、出力50万キロワット)で原子炉停止、緊急炉心冷却装置が作動する国内初の大事故が起きた。通産省などは蒸気発生器の細管が振れ止め金具取り付けミスで異常振動し金属疲労が重なって破断と発表したが、原子力安全委はより詳細は解明を求めた。

海外ニュース

海外

『独立国家共同体』創設でソ連邦消滅。ゴルバチョフ大統領は退陣

海外『独立国家共同体』創設でソ連邦消滅。ゴルバチョフ大統領は退陣

 ペレストロイカ(立て直し)で変革を続けたソ連邦は、クーデターに続く8月政変で共産党支配が崩壊。エリツィン大統領ら11共和国指導者が「独立国家共同体」を創立、ゴルバチョフ大統領は退陣し、69年続いたソ連邦は消滅した。しかし、市場経済移行や核管理の一元化などに、なお問題が残った。(写真は、来日時のゴルバチョフソ連大統領とライサ夫人)

海外湾岸戦争突入、多国籍軍勝利宣言。“拒否権なき国連”を実現

 イラクのクウェート侵攻による湾岸危機は、多国籍軍のイラク空爆で1月17日に戦争突入。ピンポイント爆撃やミサイル攻撃で応酬後、地上戦でクウェートが解放され米大統領の勝利宣言となった。湾岸戦争はペルシャ湾汚染、難民続出、フセイン政権存続などの問題を残したが、拒否権なき国連協調も実現した。

海外東西欧州含む「北大西洋協力評議会」創設、分断と冷戦の歴史に幕

 西側に対抗して創設された旧共産圏経済相互援助会議(コメコン)ワルシャワ条約機構(WTO)が相次いで解体。北大西洋条約機構(NATO)など西側機構もこれに呼応、東西両陣営を含む「北大西洋協力評議会(NACC)」創設で合意。東西冷戦、欧州分断の歴史に幕を閉じた。

海外韓国・北朝鮮が国連同時加盟、半島非核化へ南北和解の合意書調印

 国際原子力機関の核査察と朝鮮半島の非核化で応酬を続けていた北朝鮮と韓国は、国連同時加盟(9月17日)を機に南北和解が急速に進み「不可侵、交流と協力」をうたう合意書に調印。

海外カンボジア和平協定調印、13年の内戦に終止符も市民におん念

 プノンペン、シアヌーク、ソン・サン、ポル・ポト四派で争い続けたカンボジア内戦は、パリ国際会議で10月23日、日本を含む19カ国が国連和平協定に調印して終止符を打つ。シアヌーク殿下が暫定主権者として13年ぶりにプノンペン入りしたが、過去におん念残す市民がポル・ポト派指導者を襲うなど前途多難。

海外コメ開放含めて『例外なき関税化』合意案、ガット多角的交渉難航

 米国が幕張メッセのコメ撤去に不快感を示し、訪米の海部首相に開放を公式要請するなどコメ市場問題は大詰めを迎えた。関税貿易一般協定(ガット)新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)農業交渉では、ドンケル事務局長が「例外なき関税化」合意案を提示、世界農政は転換点に立った。

海外ECが国家を超える『欧州連合』創設へローマ条約改定。歴史的実験(12月)

 欧州共同体(EC)首脳会議が経済・通貨統合と政治統合を実現する「欧州連合」創設で合意、EC憲法・ローマ条約を改正、経済から外交・防衛を含む“超国家への歴史的実験”への第一歩を踏み出した。

海外フィリピン火山大噴火、バングラデシュにサイクロン、中国大水害で被災者多数

 6月9日、比ルソン島のピナトゥボ山が今世紀最大規模で噴火、台風も重なってクラーク米軍基地閉鎖や多数の死者が出る大災害。また、4月30日にはバングラデシュ沿岸でサイクロンが上陸、死者14万人。比レイテ島や中国各地では台風と長雨で1億人の被災者が出る惨事となり、国際救援を呼び掛けた。

海外中東和平全体会議が米ソ主導で開催、アラブ・イスラエルが同席

 半世紀にわたるアラブ・イスラエル間の紛争解決を目指す中東和平全体会議が「劇的に変化する世界情勢」の中、米ソ両首脳共催で開かれ、和平達成への一歩を踏み出した(10月30日~)。両陣営同席の“平和希求”の高まりに意義があった。

海外ユーゴスラビア民族独立紛争で内戦激化、連邦解体の危機続く

 6月25日、ユーゴスラビアのクロアチア、スロベニア両共和国が独立宣言して連邦人民軍と共和国防衛隊が抗争、内戦が激化した。欧州共同体(EC)や国連の調停で14回目の停戦にこぎつけたが、旧共産党支配の重しがとれた民族間抗争は根深く繰り返され、連邦解体の危機が続いた。

海外南アフリカ国会が人種差別関係法廃止、大統領がアパルトヘイト終結宣言(6月)

 南アフリカの三人種議会(国会)が人口登録法など人種隔離政策(アパルトヘイト)関連法の廃止を可決、6月17日、テクラーク大統領がアパルトヘイト終結を宣言した。また、黒人組織との抗争終結を目指す和平協定調印や、32年ぶりの五輪出場表明など、国際社会に復帰する努力が重ねられた。

海外インドのラジブ・ガンジー元首相が爆弾テロで暗殺される(5月)

 インドのラジブ・ガンジー元首相がマドラス近郊遊説中に爆弾テロで暗殺、総選挙は延期に。警察はスリランカ・タミル人過激派女性特攻隊員の犯行と断定、国民会議派が後継総裁にソニア夫人を選出したが辞任、ラオ元外相が新総裁として選挙に臨み勝利、新首相に就任した。

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