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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年1月26日~3月20日

我が家の出発点

平成元年10月14日、これは我が家の歴史が始まった日である。「理想の女性は」と問われると、私は「美人、賢い、頭が良い人」と答えていた。農家の長男坊という境遇から、職場では「久野さんの結婚は難しい」と言われ、上司からは「久野君は判断しなくていい。連れてくればみんなで判断する」と散々なことを言われていた。30歳を過ぎた頃、室長から呼ばれて行くと、おもむろに写真を見せられた。お見合い写真であった。独身者の多い現在と違って、当時は男女とも年頃になると周囲が放っておかなかった。職場の上司や親戚から何人か紹介してもらったが、相手がどんどん若くなっていった。いよいよ話の通じなくなる「宇宙人」状態になりそうだったので、6学年下で手を打ったのが妻である。「美人」「かわいい」という女性は、ちやほやされて育ったせいか、おおむね「性格が悪い」ことが分かった頃で、この人ならと思った女性から「長男であることまでは許すが、農家は絶対に駄目」と言われて踏ん切りが付いたのである。4人の子育てを通じて教育評論家が当てにならないことを知り、内館牧子の小説「終わった人」の主人公のような定年退職を迎えた。私は、“良い人生だったどうかは、棺桶に両足を突っ込むまで分からない”という人生観を持っているが、たぶん「良い人生だった」と言える出発点となったのが、平成元年なのである。

愛知県東海市 久野容一さん 60歳 喜び家族・親族出会い

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