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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年1月26日~3月20日

突然倒れた母

前日に頭が痛いと言っていた母は、平成2年8月5日の朝、起きてきませんでした。どうしたのかと起こすと、目を覚ましましたが呂律は回らないし歩こうとしてもフラフラするし、ご飯は口からボロボロこぼれてしまう。母に大変なことが起きていると気が付きました。かかりつけの病院の検査で、脳梗塞と分かり入院となりました。入院直後は筆談したりできたのですが、3日ほどして意識不明となり、その後2か月にわたり意識が戻りませんでした。父が仕事を休んで母に一日中付き添ってくれることになり、15分おきに褥瘡(じょくそう)にならないように体の向きを変えたり、マヒしている手足をさすったり、熱や血圧などの記録をノートに取り、懸命に看病をしてくれました。そして、神奈川県に住む弟の妻が平成元年に生まれた娘を連れて手伝いに来てくれ、泊まり込んでいる父に朝食と昼食の弁当と洗濯物を届け、洗濯や掃除、食事の用意をしてくれました。私は仕事に行き、帰宅後は急いで夕食を済ませて病院へ向かい、父が自宅で夕食と入浴を済ませ病院に戻ってくるまで交代して母の看病をし、休日は私が泊まり込みました。2か月して母の意識が戻った時のうれしさは忘れられません。その後リハビリを続け、入院から半年後には杖を突きながらも普通に生活できるようになり退院できました。介護保険ができる10年も前のことで、大変だったでしょうとよく言われます。介護も看護も医療も進歩し、確かに今ならもっと早く治ったのかもしれません。でも病気を治すのは本人の気持ちと家族の愛情だと思います。家族の懸命のサポートは、意識が無くても伝わり、病人もそれに応えてくれると思います。この半年間の親子、家族の絆を深めた濃密な時間は、何にも代えがたいものでした。

静岡県浜松市(北区) 堤茂子さん 65歳 喜び家族・親族心身の変化悲しみ

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