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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年4月15日~5月31日

鮮やかに思い出される旅

共働きをしながら、土・日曜日には田畑の耕作をし、毎日懸命に過してきた。そしてようやく、傾いて隙間だらけの古い家を建て直すことができた。そんなある日、同居する母が「これから先、歳を重ねた後には、2人だけの思い出も必要になるから」と、旅行に出かけることを勧めてくれた。平成5年のある夏の日、車を見送る母と留守番の息子を見ながら、助手席ですまなさそうな顔をしたのが忘れられない。初めて2人だけで能登半島を一周した旅の思い出は、終活の頃を過す今になって、折に触れては鮮やかに思い出されてくる。半島の先端辺りに来た時に、運良く「珠洲祭り」が開催されていた。顔に付けた奇怪な面を振り、筋肉隆々の腕で打つ太鼓の音が心臓にまで響いた。<炎ゆれ こおろぎも跳ぶ 御陣乗太鼓>俳句の心得など何のもないのに、思わず口から出た。<潮風に 穂もたわわの 千枚田>家内もまた私をまねて、思わず口から出た句だと言っていた。

岐阜県北方町 大野博司さん 77歳 楽しみ喜び家族・親族趣味・レジャー

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