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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年4月15日~5月31日

痛恨なり痛恨なり

どうしたんだよ、俺を泣かせやがって。いや俺なんてどうでもいい。大勢のファンの行き場の無い気持ちをどうしてくれるんだ。勝負は非情なものとは承知している。泣く者がいれば笑う者もいる。だけど優勝決定戦だ。勝って勝利の美酒を飲みたいではないか。愚痴をこぼすようだが、リーグ戦の最中にもっと勝率を上げることができなかったのか。平成6年10月8日、中日と巨人が同率首位で迎えた、勝てば優勝という大一番である。ナゴヤ球場に3万5000人のファンを集めて行われた、最終戦対決である。俺は球場の片隅で精いっぱい大きな声を出し応援した。中日が今中投手、巨人が槙原投手で始まったが、巨人が4本の本塁打で中日を揺さぶり優勢に試合を進めた結果、中日3点、巨人6点となり、ファンが、俺が熱望した、中日の優勝とはならなかった。巨人の長嶋監督の胴上げを悔し涙で見たのは、中日ナインだけではないのだ。優勝という大魚を逃した夜は、なじみの店で仲間とコップ酒でうっぷんを晴らしたり、慰めあったりしたが、それでも痛恨の思いは胸から消えなかった。翌日の職場は、優勝を逃した中日を残念がる職員たちがあちらで集まり、こちらで集まっては悔しさを共有した。中日の高木監督は、選手たちを「本当によくやった。ありがとう」とねぎらった。私たちファンは「中日球団よ。終わりがあれば始まりもある。来年がある」と思うことで胸のもやもやを消し、希望の灯をともした。

愛知県安城市 森永政雄さん 82歳 流行・世相悲しみ

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