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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年5月15日~6月30日

いのちの日

私の人生のなかで、あの時ほど涙したことはなかったし、神や仏に手を合わせて祈ったこともなかった。あの日「グラグラ、ドーン」で飛び起きた。「震源地はどこやろね」「長野の方かもっと近くかな」と夫と話しながら朝食を済ませ、テレビをつけた。2人とも被災地が分かり顔面蒼白。一人娘が神戸にいるのだ。すぐに電話したがつながらない。足はガクガク、心臓はドキドキ、頭の中は真っ白だった。2日経ち、3日経っても連絡は取れず。テレビに映し出される神戸の町や人々の惨状に、まともな精神状態ではいられない2人だった。小さい頃から手を合わせても、願いをかなえてもらったことがないので、神や仏を信じていなかった私だが、藁をもすがる思いで、ただただ娘の無事を祈り手を合わせる毎日を過ごした。1週間が経ち、フラフラになって娘が帰ってきた。彼女はあの日のことを泣きながら話し、死んだように眠った。寝顔を見ながら私も涙が止まらなかった。その娘は今、2人の高校生の母親となり、けなげに生きている。そして私は、神や仏は信じる人の心の中にはいるものだ、と思うようになった。1月17日を「いのちの日」と称し、娘の命を助けてもらったことに感謝し、毎年心から手を合わせている。

岐阜県各務原市 五藤桂子さん 75歳 喜び家族・親族天候・災害悲しみ

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