年表

時代

年表

閉じる

平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年5月15日~6月30日

心が震えた朝

正月気分が少し抜けかけた1月中旬。親戚の家での食事会の帰路、夫の運転する車の助手席から何気なく西の空を見た時、思わずつぶやいた。「数日中に西の方で割と大きな地震が起きるかも」と。隣の夫は、「不思議なことを言うね」と笑っていた。根拠は無かったけれど、私のこういうインスピレーションは時々当たる。「外れてくれればいいな」とその時は思った。翌朝、気分が悪い感じがして目が覚めた。布団の中で体全体がゆっくりと横に揺れている。一瞬めまいかと思うぐらいの揺れに、「パパ、地震」と叫び、隣で寝ていた娘に覆いかぶさった。縦揺れではなかったので震源は遠い場所だと直感し、逃げるより情報が必要だと思いテレビをつけると、速報が入っていた。阪神淡路大震災である。道路や家屋が壊れ、火災が至る所で発生している。美しかった街が廃墟となり、紅蓮の炎と黒い煙に包まれている。心が引き裂かれそうな気持ちになった。その日から日本中が「被災地を救おう、励まそう」とひとつになった。あちこちで義援金の募金活動が始まり、救援物資も集められた。わが家も衣類や紙おむつなどを送った。被災地支援とともに、住宅の火災や耐震について関心が集まり、防災の意識が高まった。この恐ろしく、悲しい災害が、その後に起る各地の震災での被害や犠牲者を減らすことにつながったと思う。半年ぐらい経つと、被災地にも新しい建物が建ち、人々の顔にも笑顔が戻っているのを見て胸が熱くなった。「被災した方々がもうこれ以上、辛い目に遭いませんように」と日々祈る1年だった。

静岡県浜松市(中区) 鈴木由起子さん 51歳 家族・親族天候・災害悲しみ

  • facebook
  • twitter
  • line

平成7年の国内・海外の主要ニュースを見る