年表

時代

年表

閉じる

平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年5月15日~6月30日

喜びと苦悩の始まり

阪神淡路大震災から1年が経ち、テレビなどで復興の様子を見るたびに、人間の強さと優しさを感じずにはいられない毎日だった。世の中の重苦しかった雰囲気も、明るさを取り戻してきていた。夏に開催されたアトランタ五輪は、震災やオウム事件などで日本中が暗い気持ちになっていたなかで希望の祭典となった。わが家では娘が3歳、保育園の年少組となった。この頃から言葉の数が急に増え、自分の考えを持ち、自己主張をすることが多くなってきたように思う。近所の同じくらいの年齢の子どもたちと家の駐車場内で遊ぶようになり、成長が感じられた。世間では明るい話題が多くなっているなか、ショックで悲しいことが起きた。舅にがんが見つかったのだ。本人に告知するか、治療をどうするか、いつまで治療を続けるのかなど、いろいろな選択をしなければならなかった。3年に及ぶ苦悩との戦いの始まりだった。ただ、本人には告知しなかったので、この1年は家族で旅行に行ったり、孫とたくさん遊んだりできて、楽しい時間を過ごすことができたのではないかと思う。私にとっては「舅にいかに苦しい治療を頑張ってもらうか」が課題の年だった。入院を嫌がる舅を説得し、出勤前や昼休み、帰宅前の1日3回病院へ通い、話相手になったり、医療スタッフの方々と話し合ったりした。明るく前向きな出来事が多くあった平成8年は、わが家にとっては秘密と苦悩が混在した年であった。

静岡県浜松市(中区) 鈴木由起子さん 51歳 喜び家族・親族心身の変化悲しみ

  • facebook
  • twitter
  • line

平成8年の国内・海外の主要ニュースを見る