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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年6月15日~7月30日

嵐の前の楽しみ

この年、4歳の娘がサッカーのJリーグ、ジュビロ磐田のファンになった。スタジアムに試合観戦に行き、ハマったのである。まだ漢字の読めない娘は背番号と顔とポジションで選手の名前を全員、完璧に覚え、目立たない選手にも大きな声で声援を送っていたので、いつも周囲の人を驚かせていた。「ディズニーランドへ10回行くよりジュビロの試合に1回連れて行ってもらう方がいい」と言い、好きな選手が他のチームへ移籍すると、ショックで夜も寝られないほどだった。まだ幼い娘の意志の強さを初めて感じたのがこの頃だった。この年、報道で英国のダイアナ元皇太子妃の事故死を知った。若くて美しく健康的な彼女のロイヤルウエディングを、私も世界中の人々と共に祝福した。「世界から地雷を無くしたい」と活動する姿に感動し、エールを送っていた。不倫や離婚スキャンダルで王室を去ったが、それでもなお世界中の人々に愛され続けたのは、単に彼女が美しいだけでなく、凛とした立ち振る舞いや心の強さが人々の共感を呼んだからだろう。真実はわからないが、暗殺説まで出て、彼女の死は永遠のミステリーとなったが、彼女にはずっと生きてもらいたいたかった。そして、世界中の人々に感動や影響をもっともっと与えて欲しかった。この頃、ガンで闘病し入退院を繰り返している舅が、苦しい治療に拒否を示すようになってきた。病気のことを告知すれば状況が変わるかもしれないとも考えたが、舅の年齢と精神的な減退のことを考えると、告知は難しく、ごまかしながらの治療が続いていた。「知らぬが仏」という言葉の通り、この頃の舅が一番楽しんでいたように思う。次の年から容態が徐々に悪化し、家族皆が緊張感をもって生活することになるので、「嵐の前の静けさ」のように、わが家では比較的穏やかで楽しく過ごした一年だったと思う。

静岡県浜松市 鈴木由起子さん 51歳 楽しみ喜び家族・親族流行・世相心身の変化悲しみ

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