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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年8月15日~9月30日

宝物の記念写真とフジの花

平成13年4月30日、私の次女が軽井沢の教会で結婚式を挙げました。そして翌5月1日深夜、夫が6年間のがんとの闘いを終え、天国へ旅立ちました。結婚式とお葬式を続けてやりました。平成7年に夫の直腸がんが見つかり、7月14日に手術をしました。その日は前年83歳で亡くなった母の初盆の日で、私は知人や友人が自宅に来てくれるため、私は病院と自宅を行ったり来たりする忙しさでした。手術は心配でしたが、幸いにも成功とのこと。ホッとしましたが、その2年後に肝臓がん、さらに2年後に肺がんと転移してしまいました。夫は最後はホスピスに入れたため、ゆっくりと2週間過ごせました。次女の結婚式に浜松のホスピスからはとても行ける状態ではありません。5月1日には、軽井沢から浜浜まで7時間かけて、新郎新婦、その両親、叔母夫婦がホスピスへ寄ってくれました。新郎の友人が撮影してくれた式のビデオを、夫は嬉しそうに見ていました。さらに新郎新婦が教会から借りてきたタキシードとウェディングドレスを着て、ホスピスの礼拝堂で夫とともに記念写真を撮影。この写真はわが家の宝物になっています。夫は61歳、私は59歳でした。それから夢中で過ごした17年。あんなに辛い思いをしてきたので、少々のことでは私はへこたれません。それでも最近は、足(とくに膝)が痛く辛い思いをしています。夫が亡くなる1年前、私がフジの花が好きだと言ったら、夫が実家の山から根をもらって庭に植えてくれました。「フジの花が咲くまでに数年かか、その時は自分はいないけど、花が咲いたら俺のことを思い出してくれ」と。私は「花が咲いた時だけでなく、いつも想っているよ」と言いました。娘たちに話をしたら、「韓国ドラマの見すぎじゃない」と笑われました。今では春になると、紫色のフジの花が毎年棚から垂れています。その度、夫の写真に「今年も咲いたよ」と見せています。

静岡県磐田市 西尾一子さん 77歳 家族・親族新生活・引越心身の変化別れ

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