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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年8月15日~9月30日

私 in ハワイ

11歳の私には刺激が強すぎた。2001年夏。はじめてのハワイ旅行を、私は昨日のことのように思い返すことができる。それほどの思い出を与えてくれたのだ。まず、海外旅行が子どもに影響を及ぼすポイント第1位は時差である。当時の私は遅くとも21時には就寝する良い子だった。しかし日本が21時を告げる頃、ハワイはまだ明るい夕方で、うとうとする私の首に花飾りをかけ、陽気に写真を撮りだした。首飾りをかけてくれたのが踊り子衣装を身にまとった現地の女性ならまだしも、アロハシャツを身にまとった褐色のおじさんだったため目も覚めない。なんて豪快な国なんだ。これがハワイの第一印象だった。続けて驚かせてくれたのは、傍若無人なスピードで私たちを運ぶホテルのエレベーターである。そもそも乗り物酔いしやすく、急停車や浮遊感が苦手な私にとって、ハワイのエレベーターはジェットコースターだった。上の階へ向かうときには重力を感じ、下の階へ向かうときは体が浮く。エレベーターが降りているときにジャンプすれば、しばらくそのまま浮いていられるのではという、科学的疑問を抱いたのはこの時である。そして、心に強烈に刻まれているのがシュノーケリング体験だ。熱帯の海と美しい魚たちを間近で楽しむアクティビティである。小型船に乗りこみ、パツンパツンのウェットスーツを着用した時点で、乗り物酔いを引き起こす条件は整っていた。体験はと言うと、それはもう目の前に広がる海中世界の美しさに驚嘆し、色鮮やかな魚たちと鬼ごっこをして楽しんだ。ところが、美しい世界をさらによく見ようと海中を覗き込んだそのとき、口の中に大量の海水が流れ込んできた。慌てて呼吸しようとするほど海水を飲み込んでしまう。誰かのいたずらかと思ったが、犯人は私だった。海中を覗き込んだことで、シュノーケルの呼吸口が海の中へ入り、そこから海水が流れ込んできていた。気を取り直して再び楽しむことにしたが、私は全く学習していなかった。覗き込む、海水を飲む。覗き込む、海水を飲むを2度ほど繰り返し、大量の海水を腹の中にたくわえて小型船へと戻った。そこで追い打ちをかけたのがウェットスーツの締め付け感である。襲い掛かる圧迫感と腹の中の海水がせめぎ合うのを感じながら、ささやかな小走りで甲板へ行き、保存しておいた海水を海へ還した。ぐったりとしている私の隣に父がやってきて、慰めてくれるのかと思いきや私と同じように海水を海へ還し始めた。ほら、やっぱりあのウェットスーツはきつすぎたんだよと言うのが、今でも笑い話になっている。

愛知県小牧市 水野雄太さん 28歳 楽しみ家族・親族趣味・レジャー

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