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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年8月15日~9月30日

チームをつなぐ応援歌

「32人の、真女(もおじょ)バレー部。心ひとつに」。センチメンタル・バスの「Sunny Day Sunday」のリズムに合わせて歌う応援歌。当時スポーツドリンクのCMでよく流れていたこの曲だが、流れてきて思い出すのはいつも、2階席から見る広いコートとプレーする仲間、そして誰よりも声を張り上げ応援する先輩たちの姿だった。21世紀最初の女子高生だなんて浮かれまくっていた私の身長は、当時168センチ。入部した高校のバレー部でも高身長の部類に入った。高い身長のおかげで、私は1年生ながら何度かユニフォームをもらうことができた。しかしながらそれはあくまでワンポイントブロッカーとしてであり、長い間コートに立つわけではなかった。それでも単純な私は、ユニフォームをもらえることをただただ喜んでいた。30人以上が在籍するバレー部において、ユニフォームをもらったことのない先輩が当然いたにも関わらず。ある練習試合で、初めてワンポイントブロッカー以外の役割を任された。うれしさとは裏腹に、攻撃、守備、どちらも満足にできなかった。それどころか、味方の先輩とぶつかりそうになる始末。私と交代で試合に出たのは、いつも2階席から応援していた先輩。誰よりも大きな声援を送っていた先輩と、レギュラーの先輩との息はぴったりだった。試合後、監督から言われた。「お前には身長という武器がある。1年生だからって遠慮はしなくていい。だが、どれだけ一生懸命練習しても、一度も公式戦でユニフォームを着られないやつがいることは忘れるな」。先輩たちは普段からとても仲がいい。見ていてうらやましくなるくらいに。そして全員が試合に出るつもりで練習している。だからこそ選ばれなかったときの悔しさは、全員が分かっている。先輩たちは互いの努力を認め合い、理解しているからこそ、息の合ったプレーができていたのだ。先輩たちの本当の強さが分かった気がした。その年の秋、初めて関東大会への切符を手にした瞬間、私は2階の応援席にいた。「32人の、真女バレー部。心ひとつにLet'sGo! Let's Game! みんなで勝ちにいこう。気合は十分だ。拾って、あげて、打って。どんどん攻めろー」。メガホン片手に、叫び続ける私がいた。

愛知県名古屋市(北区) 菊地悠さん 33歳 友人・仲間学校・学び

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