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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年9月15日~10月31日

北京の28日

中国の活気と熱気のなかで、生活していくことになった。毎日外食。時にはケーキ屋でケーキを買う。雑貨屋では茶こし器がないか尋ね、体の具合が悪くなれば薬局で病状を言い薬を買う。部屋のコンセントが不良になれば小姐に交渉もするし、北京動物園ではなぜ学割料金にならないか押し問答を繰り返す。地下鉄にも乗るし、有料公衆便所にも行く。すべてつたないながらも自前の中国語でやり取りしなければならない。リストラにあって、再就職活動をしながら中国語講座に通い出して1年。51歳となっていた私は、先の見えない鬱々とした現実を忘れるべく、思い切って北京師範大学への短期語学留学を決意した。3月、春浅い北京での生活は、まず底冷えのする寒さと乾燥しきった空気との闘いから始まった。中国語漬けの毎日。日本とは社会体制が異なり、習慣や行動様式の違いから、ひとり苦り切る私とはうって変わり、日本各地からやって来た若い「同学」たちは、まさに好奇心の塊のごとく、今日は西、明日は東と精力的に中国を吸収し尽くしていた。午前の授業が終わると、毎日連れ立って市内や郊外の探検に出かける。週末には上海や西安への小旅行。この間、大学主催の各種イベントにも参加し、本分の予習、復習も欠かさない。毎晩夜遅くまで飲み食い語り合う。私は、若き「同学」たちのエネルギーと中国の人たちのバイタリティーに触発され、ちょっぴり元気になって、また厳しい再就職戦線に復帰していったのを昨日のように思い出す。

愛知県蒲郡市 尾﨑博敏さん 66歳 入学・進学新生活・引越出会い

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