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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年10月15日~11月30日

命について考えた年

平成17年、私は第2子となる待望の女の子を出産した。しかし喜びも束の間。生まれて間もなく、娘は重症の感染症にかかり入院することになった。「病院に連れて来るのがあと1日遅れていたら命の保証はできなかった」。病室に案内されてすぐにそう言われた。古い病院だったせいか、薄暗く寒々とした何もない病室で、ただただ不安な気持ちで見守るしかなかった私は、食事も喉を通らなくなっていた。見るに見かねた看護師さんが病室にテレビを設置して下さったのはありがたかったが、テレビをつけると福知山線の脱線事故のニュースが大半を占めていた。「人の命は本当にいつどうなるか分からない」。小さな小さな身体で感染症と闘っている娘を抱き締め、テレビをぼんやりと眺めながら、そのことばかりを考えていた。当時は27歳だったが、それまでの人生の中で「命」について最も真剣に考えた時間だった気がする。10日後、ようやく娘は退院することができたが、しばらくは漠然とした不安にさいなまれた日々だった。一方で、愛・地球博の開催やセントレアの開港という地元の明るいニュースもあり、少しずつではあったが、ワクワクする気持ちも感じられるようになり、感染症に負けず蘇った娘の成長を見守りながら、与えられた命に感謝しつつ、悔いのない日々を送らねばと何度も考えた。そんな、命についてあらためて考えさせられた年であった。

愛知県名古屋市(守山区) 野中とも子さん 40歳 喜び出産・育児心身の変化悲しみ

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