年表

時代

年表

閉じる

平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年11月15日~12月31日

「ゆずりは」 義兄によせて

私の義兄は、アニメーションの背景を描く仕事をしていました。ジブリ作品やアニメーション映画の素晴らしい美術を担当していました。けれど、姉と結婚し子どもが生まれてからは、ひたすらテレビやゲームの背景をたくさん書きました。たくさんの枚数をこなすことが、生活を支えるのに必要だったからです。その義兄が、突然、がんで亡くなりました。倒れるまで仕事をし、しばらく入院した後、最後の時間は家で過ごしました。義兄の身内はみんな亡くなっていませんでした。看病に疲れた姉を心配し私が東京にしばらく滞在し、入れ替わりに私たちの両親が東京に来たその日に、義兄は亡くなりました。そして、サッカーの練習に行っていた小学校5年生の息子に、私は、義兄のことを知らせることになりました。義兄を想うと「ゆずりは」の詩が浮かんできます。「こどもたちよ世のお父さんお母さんたちは、何一つもっていかない。みんなお前たちに譲っていくために、命あるもの良いもの美しいものを一生懸命造っています」。このフレーズが、頭の中にわいてくるのです。葬儀を終えて志摩に戻ると、授業参観の日でした。担任している小学5年生の子どもたちと保護者に向けて、私は「ゆずりは」の詩の授業を行いました。ここで授業ができることが、私にとってとてもありがたい時間となりました。5年生だった甥っ子も、来年4月には、小学校の先生になります。

三重県志摩市 山口智津さん 57歳 家族・親族別れ

  • facebook
  • twitter
  • line

平成19年の国内・海外の主要ニュースを見る