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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年11月15日~12月31日

千の風になって

私の手元に、母が書いた「千の風になって」の歌詞カードがあります。母が、紅白歌合戦でこの曲と出会い、好きで書き写したもののようです。転勤族だった私たちは、何回かの引っ越しをして、最後には母と私の2人で暮らすこともありました。家族4人で暮らしたのは、小学校の頃までだったと思います。母のがんが分かって、「余命1年」の宣告。何度か手術をして快方に向かうも、認知症の方は進行していきました。入院の初めは、テレビのリモコンとナースコールを間違えて押したりしていましたが、病状が進むとベッドから動けなくなりました。自分の様子を見て「しかたないね」と言った日から、ほとんど口をきかなくなり、ベッドで寝ているだけの日を過ごし亡くなりました。父と私は半日ずつ交代で、毎日一緒に過ごしました。会話はどこまでつながっているのか分からない中で、分かっていたとしたら、と考えると辛くもなりました。母の最期の心の支えは、やはり父でした。母の葬儀の日のあいさつで、「今は、風に乗って飛んでいます。老妻ですから、ゆっくりばっさばっさとこのあたりを飛んでいることと思います」と語りました。今でも、墓参りに行くときは、「今から岐阜の墓に行くからね」と声をかけて出かけます。おかげで私は、志摩の海岸を歩きながら、母と話している気がします。

三重県志摩市 山口智津さん 57歳 家族・親族別れ

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