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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成30年12月15日~平成31年1月31日

マンゴーが食べたい

私にとって平成21年は、母方の祖母との永遠の別れの年でした。さかのぼること5年前の平成16年に肺梗塞になりドクターヘリで搬送、一命を取り留めたことがありました。祖母は自分の「命」に関わる状況にあっても「今、死ぬわけにはいかん」と、早くに父を亡くした私たちを心配してくれていたのです。自分が娘や孫を守らなければとの正義感からだったと思うとともに、「親心」というものを教えてもらったと思っています。5年が経った平成21年の夏、肺梗塞が再び祖母を襲いました。しかし、本人の意思を優先し、療養生活となりました。入院先へ顔を出すと「マンゴーが食べたい」「宮崎のマンゴー、おいしそうだね」があいさつ代わりでした。平成19年に東国原英夫氏が宮崎県知事に就任すると、連日のように宮崎県や、そのPRが報道されるようになりました。新聞を読み、ニュースを見ることを日課にしていた祖母は、情報を得ていたのです。しかし、医師の「絶食」の指示を守ってしまったのです。私たちのことを思い、心配してもさせることのなかった祖母が始めて口にした「マンゴーが食べたい」の思いも、「死」が迫っている現実を受け止められず、「生きていてほしい」などと、私の勝手な思いから、叶えてあげられず、孝行できなかった悔いを残してしまいました。元号が変わる今秋、祖母が亡くなって10年になります。歳月は経っても祖母の思い出は忘れることはできません。

愛知県新城市 酒向俊和さん 37歳 家族・親族別れ悲しみ

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