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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成31年2月15日~平成31年3月31日

母の初めての入院

2020年五輪、東京開催が決定した数日後の平成25年9月中旬、離れて暮らす84歳の母から携帯に電話が入った。「夏前から微熱が続いてな、腰が痛いんや、もう1ヵ月も続いてる」。日頃、弱音を吐かない母が私に助けを求めてきた。「分かった明日、朝一番でそっちに行くから」と言って電話を切った。翌日、神戸から実家に駆け付け母から話を聞き、病院に連れて行き検査を受けさせた。高齢者の検査は大変で、胃カメラを嫌がり、血液を採取する注射針がしわしわの腕の細い血管に、なかなかうまく入らず痛がった。私には看護師さんも手が少し震え怖がっているように思えた。MRI検査では母が途中で恐怖を感じて3回やり直し、最後は看護師さんのマイク越しの必死の声掛けで成功する苦労もあった。検査の結果、腰に“いつのまにか骨折”による圧迫骨折があり、2週間入院し検査をしながら経過を見ることになった。入院中の母は退屈し、付き添う私も日頃の親不幸もあり会話に苦労したが、母の好きな相撲中継がそれを救ってくれた。母は中国出身の蒼国来関が好きなことを知った。理由を聞くと「小さい体ではしこいから」と言って笑い必死に応援した。そして逆転で勝つと「やったー」と大きな声を出し同室の患者を驚かせた。母に笑顔が戻り若い医師の適切な治療と看護師さんの献身的で過剰とも言える気配りにより、快方に向かい母の初めての入院は終わった。若いと思っていた母の介護を考える第一歩になったが、帰り掛けに母から「お前も身体大事にせんとあかんよ。もう若くはないんやからね」と諭され、頭が下がり子を思う親の気持の大きさを知った。

兵庫県神戸市(垂水区) 高木勇さん 68歳 家族・親族イベント心身の変化

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