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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成31年2月15日~平成31年3月31日

がんからの再起

平成25年の4月に奥歯の歯茎にがんが見つかりました。がんの摘出はもちろんのこと、転移を防ぐために、左下顎の骨をスライス、左首のリンパ組織を切除。その切除した凹んだ所に、左の大胸筋の一部を切除して移植するという手術に17時間かかりました。無事終了しましたが、直後の3日間の集中治療室が、私の平成の中で、いや人生の中で一番苦しい時間でした。まず緊急時に備え、呼吸を確保するためにのどに穴が空けてあるため、声が出ないのです。止むなく筆談になるのですが、何せ術後すぐですから、身体に力がなく、ミミズが這ったような字で、後で見たらとても読める字ではありませんでした。また首を動かすことができないので、天井ばかり見つめて寝ているため、天井が動いたり、蛍光灯・壁が動いて見える幻覚症状に陥ったのです。食事の方は顎の骨をスライスしてあるため、完治した時に上顎と下顎が噛み合わないといけないので、細いワイヤーで上の歯と下の歯を固定し、食事は細いゴムの管で鼻の穴から直接胃に流し込みます。もちろん味わうこともなく、時間とともにお腹だけは満たされてきます。そんな苦しい3日間も、先生、看護師、家族、友人たちの励ましで脱出できました。それから順調に先生も驚くほど早く回復し、入院36日目には歯を固定してあるワイヤーも外れ、44日目には無事退院することができました。共に泣き共に笑った妻には、ただただ感謝の「ありがとう」しかありません。妻からは「手術の当日まで、お父さんは不安な顔を一切家族に見せずに接してくれたことが、お父さんの思いやりだったんですね」と。それからの私は人生に対する考えが少し変わったような気がします。まず、人の役立つことがしたい、人には優しくしたいと思うようになりました。老人会長、地域の行事にも率先して参加するようになりました。この平成時代も大きな震災、火山の噴火など、多くの方が亡くなられました。また特に目立ったいじめ、自殺、毎日のように起きる殺人事件、世界に目を向けると、核の問題、テロ、紛争内戦と数え切れないと思います。また、忘れてはならないこの平成時代に解決が難しくなった北朝鮮の拉致問題。元号は変わりますが、どうか明るい、希望のある時代になることを願ってやみません。

岐阜県大垣市 山田博美さん 71歳 心身の変化

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