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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成31年2月15日~平成31年3月31日

記憶と現実の母

この年に娘が誕生しました。私は反抗期が長く親孝行もせず、できるだけ両親と関わらないように生きていました。それでもそんな私のことを常に心配してくれていた両親に、初孫となるこの子の存在が、少しでも親孝行になればと考えていました。実際、両親は孫の誕生をとても喜んでくれました。素直に孫に会いたいと言えばいいのに、「野菜をもらったから」などと理由をつけて、山盛りの野菜やおもちゃを抱えて、足しげくわが家にやってきました。まだ幼くて理解できていないのに、子どもが好きだろうからと「アンパンマン」や「妖怪ウォッチ」のキャラクターを覚え、話しかける母。そうやって子どもの世話を手伝ってもらえることはとても助かり、私と両親の関係も良くなっていきました。母は「私もおばあちゃんになれた。ありがとうね」と言ってくれました。しかしこの数年後、母が認知症を発症。まだ60台後半と若かったため進行が早く、2年もすると自宅での生活ができなくなり、施設に入所することになりました。会話は成り立たず、同じことを繰り返し話し、一日中ごはんを要求する現在ですが、一応私や孫のことは理解できています。しかし会いたいとは思ってくれないようです。あんなに孫をかわいがり、常に私の心配をしてくれていた母の変わりようがショックで、「アンパンマン」や「妖怪ウォッチ」を目にするたびに当時を思い出して落ち込みます。しかし、母は忘れてしまったでしょうが、私はずっと忘れません。その時の幸せそうな母の姿を。もう今は何も言ってくれませんが、それでも母に褒められるように、自分の子をしっかり育てようと誓っています。

岐阜県各務原市 小川正高さん 36歳 家族・親族出産・育児心身の変化

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