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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成31年2月15日~平成31年3月31日

生まれ変わる

6月に脳出血で入院した。いろいろな物を買出すため、連れ合いは慌ただしく過ごしたようだ。右半身マヒ、目は副視になっていた。7月にリハビリ病院へ転院。以前に新聞やラジオで「最初の半年は復帰の可能性が大きいが、それを過ぎると可能性が小さくなる」と言っていた。ラジオで一部分だけ聞いた「副視は良い方の目に眼帯をする」話を思い出し、妹にベッドでも使えるよう作ってもらった。まずは左手で字を書く。手洗いには左手で右手をつかみ洗面台に乗せ、水をかけペーパータオルで指を1本ずつしっかり拭く。海苔の袋を動かない指の間に挟み、左手はさみで切る。肩からコツ、ポキ、パキと、小枝を踏んだような音色がした。食事中、太鼓のバチの上に右足を置く。夜半、ロックが外れるように、動かない右足が跳ねる。びっくりして目が覚める。昔、ミクロの決死隊が身体の中に入って活躍する物語があった。“今、私の中にいるんだ”と思った。それからも度々、ロックの外れる現象が起きた。立ち上がると伸びが起きる。勝手に突っ張ってしまうのだ。9月の御嶽山の噴火のニュースに食堂にいた皆の悲鳴があがった。誰にも一寸先は見えないのだ。三歩進んで二歩下がるような進み具合で少しずつ動くようになっていった。消灯時間まで折り紙、人形作り、サンタを50数個作って皆にプレゼント、こんなに多くの人々の世話になったのだと改めて思った。11月、リハビリ室の入口で、大きな声で「お世話になりました。退院します。ありがとうございました」。皆リハビリを止めて玄関の外まで送り出してくださった。生まれ変わったような気がした。連れ合いは付かず離れず見守ってくれる。まだまだ実年齢までは遠いが、「面倒なことはリハビリ」これで行く。

愛知県春日井市 伊東小夜子さん 71歳 心身の変化

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