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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成31年2月15日~平成31年3月31日

何よりの報酬

一人っ子の私が3人の息子の母として奮闘した平成前半。平成元年に長男、平成7年に双子が産まれてからは手探り状態で、ただ必死に過ごす毎日だった。双子の次男、三男が24歳になった現在でも、思い出すのはバタバタとしていた幼少期。何が正解なんて分からないまま過ごし、もっと余裕を持って接すれば良かったと後悔することも多かった。双子が産まれてからは特に大変で、長男には我慢させることが多かった。無理をさせたこともあったのではと、申し訳ない気持ちを持っていた。息子たちはけんかをしながらも元気に育ち、勉強にもスポーツにも全力で取り組んだ。長男は幼い頃からの夢を叶え、小学校の教員となった。一人暮らしをしての勤務だったので、長男の働きぶりをそばで見てはいなかったが、帰省する度に学校の話をする様子は、本当に楽しそうだった。もちろん大変なこともたくさんあるが、一つひとつ乗り越えていく姿は頼もしくまぶしかった。児童のみならず保護者の方々と接しながら、長男自身も学ぶことが多いようだ。児童の各家庭はもちろんさまざま。現代ゆえの問題にも直面するらしい。教員3年目となり経験も増えた平成26年のある日、長男は不器用ながらも必死に子育てをした私に、嬉しい言葉をかけてくれた。学習面でも生活面でも、今の自分があるのは、両親、家族に大切にされ、一生懸命育ててくれたからだと。男の子は普段は上手なんて言わない。小さい時はともかく、中学生以上になってからの息子たちは、母を頼りにはするものの、誉めるなんて異世界のことと思えるほど。そんな息子がかけてくれた言葉に、思わず胸が熱くなった。主婦業も母親業も「報酬なき重労働」と言われるが、私は長男のこの一言で、全てが報われ、何となく抱いていた不安や後悔からも、解き放たれた思いだった。母となって四半世紀。これ以上の幸せはない。大満足。この言葉を一生大切にしていこう。心からそう思った。三歩進んで二歩下がっている状態の私は、今も悩んだり、イライラしたり、まだまだ未熟な母親だ。平成がもうすぐ終わる今、時々は引き出しから出して、頑張る糧にしなくては。長男からもらった、何よりの報酬、何よりの宝物を。

愛知県清須市 吉村希代美さん 57歳 喜び家族・親族出産・育児

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