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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成31年2月15日~平成31年3月31日

37年の付き合い

私が20歳の時からの知り合いの元校長と、毎月のように温泉旅行に行くことが続いていた。1月末もどこかへ連れて行って欲しいと電話があり、共通の友人である岐阜の女性と犬山の成田山にお参りに行き、昼食を3人で済ませた後、2人で下呂温泉に行った。帰りには恵那の自宅に送り、いつものように手を振ってもらった姿が目に焼き付いている。4月に入って知らない電話番号から、「先生が入院されていますが知っていますか」とメールが入った。まだ仕事をしていた私は、1週間がとてつもなく長く感じた。翌週恵那の病院まで飛んで行くと、先生はガリガリに痩せて会話もできず、私が体をさすって気持ちいいかの問いにうんうんと頭を動かして応えるのみ。手を握って、「返答でイエスは握り返してね」と頼むと、答えることはしてくれた。私はこれが最後だと分かったが、励まし続けた。ちょうど1週間後亡くなった。毎月の旅と1週間に一度は電話を掛けて来ていた先生は、百歳までは生きられるよと言っていたのにあまりに呆気なかった。肺がんが全身に転移して手の施しようがなかったと息子さんから聞いた。享年88歳、37年の付き合いに終止符が打たれた。わが家から恵那の葬儀場までの道中、涙が止まらなかった。その年の秋、前年一緒に泊まりに行った御嶽山が噴火し、たくさんの犠牲者が出た。

岐阜県可児市 長瀬由美子さん 62歳 趣味・レジャー別れ悲しみ

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