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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成31年2月15日~平成31年3月31日

突然すぎる別れ

平成26年は私にとっては生涯忘れることのできない年でした。2月に私たち夫婦は結婚50年、金婚式を迎えました。娘からは素敵な花が届いたのに、大学を卒業して憧れの東京の会社に就職し、未だに気ままな独身生活を楽しんでいる息子からは何も無し。5月の連休に帰省した彼に「今年は金婚式だぞ」と言うと、「そうなんだ。二人とも元気で金婚式を迎えおめでとうございます」と。私が「えっそれだけ」と返すと、「元気な両親に元気な息子から、おめでとうの言葉を送る、これ以上のプレゼントはないよ」と言うので苦笑い。8月に息子から突然、「10月に京都に行かないか」のメールがあり、電話をすると、京都の上賀茂神社で川井郁子のバイオリンコンサートがあり、申し込んだら当選したという。もちろんペアだ。「これは金婚式のプレゼントか」と聞くと笑っていた。届いた封筒には、チケット、新幹線の切符、それにホテルのクーポン券が入っていた。「あいつめ洒落たことを」と胸が熱くなった。京都旅行は楽しかった。コンサートはもちろん、息子のプレゼント旅行は最高だった。11月の初め、連休で帰った息子に「余計な散財をして大丈夫か」と聞くと、「大丈夫だよ」と笑う息子が頼もしく見えた。連休が終わり、いつものように東京に帰る彼を駅まで送った。「今年はもう帰れないけれど、正月は帰るから」、「じゃあまた」と笑いながら駅に消えていった。これが息子との最後の会話になった。3週間後、突然、本当に突然息子が死んだ。脳出血だった。47歳。涙も声も出なかった。喜びも悲しみも知った平成26年は元号が変っても、私の心に消えることはない。

愛知県名古屋市(昭和区) 市川賢さん 82歳 喜び家族・親族別れ悲しみ

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