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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成31年3月15日~平成31年4月30日

かわいさのあまり

結婚して3年目にして、やっと息子夫婦に長男が生まれた。なかなか妊娠しないし、さりとて「子どもはまだか」と面と向かって問うこともできず、本当に内心ではイライラして待っていた。出産したとの連絡があってから、妻は「嫁の親が来る前にこちらが先に産院に着かなければ」と、私を慌てさせたもので、こんな問題でも対抗心が持てる女親というものに、奇妙な違和感を覚えた。赤ちゃんが息子の家に戻って来たとの連絡が入り、初めて訪問した日、小さな命を抱きかかえるのが怖く、「落としたらどうしよう」と緊張した。だから抱いていた時間は1分も無かったと思う。それから1カ月後、息子夫婦が赤ちゃんを連れてわが家にやって来た。妊娠期間を含めて、長い間、外食らしい外食をしていないということで、私と赤ちゃんを残して、息子夫婦と妻の3人が外出してしまった。私は赤ちゃんが泣きだしたらどうしようかと心配したが、その顔を見ていたら好奇心が沸き起こり、“この小さな手は口の中に入るだろうか、試してみよう”と思い立った。口に赤ちゃんの手を入れた時に3人が帰ってきた。そして「食べてしまいたいほどかわいいのは分かるが、本当に食べる馬鹿はいない」とさんざん叱られた。命が繋がった喜びを味わうと同時に、この子の生きる時代の激変ぶりを思うと、本当に大変なことだとしみじみ感じ入った。

愛知県尾張旭市 浅野憲治さん 71歳 喜び家族・親族出産・育児

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