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平成作文~未来へ

作文応募期間:平成31年4月15日~平成31年5月31日

出産のご褒美は『ボヘミアン・ラプソディ』

10月16日が出産予定日の娘は、その1カ月前に里帰りした。彼女を産んだ時の記憶が蘇った。私にとっては3人目、上2人が超のつく安産だったので、安心していた。しかし、臨月のとある日、自宅で多量の出血と破水。病院に着くと医師が「早剥だ」と血相を変えた。「お母さん息んで」と、助産婦の切羽詰まった声。訳の分らぬまま、必死に頑張り女児を産んだ。赤児は紫色で、ぐったりしていた。懸命の手当ての末、か細い産声を上げた。早剥が胎盤早期剥離のことだと、その時知った。30余年を経て、今度は母親となる娘。1つ心配事がある。彼女はB型のRHマイナス。婿はRHプラス。赤児とは血液型不適合だ。満を持して、総合病院にした。私も夫も知る限りの親族に、マイナスは居ない。勿論、上2人の娘もプラス。祖先から血の繋がり、生命の神秘を感じた。予定日の2日前の早朝、娘は自宅で破水した。病院に着いても、中々陣痛が来ない。帝王切開も覚悟する中、夜半に女児出産。自然分娩の安産だった。その夜の内に、母子の検査と処置が施され、2人とも異常無し。問題を抱えての妊娠、出産、私たち夫婦と娘には、計り知れない不安があった。それ以上に娘の頑張りは、半端なかった。「由乃半端ないって」の言葉が、頭に浮かんだ。退院後も、2人は順調だった。1カ月健診で孫は、誰よりも大声で泣いた。医師は問題無しと、太鼓判を押した。里帰りも終盤を迎えた日「『ボヘミアン・ラプソディ』を見たい」と娘が言った。私は望みを叶えてあげることにした。半端ない頑張りをした娘への御褒美に。高校時代から、クイーンのファンだった娘。無事出産を終えた証となる、『ボヘミアン・ラプソディ』。見終えて喜々として帰宅した娘にとって、忘れられない思い出となったに違いない。

三重県四日市市 盛合修子さん 63歳 喜び家族・親族趣味・レジャー出産・育児

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