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平成作文~未来へ

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作文応募期間:令和元年5月15日~6月30日

蝶になるまで

「未来」と名づけた息子。だけど先はそう長くない。3歳にして小児がんを患い、いつまで生きられるか。どこまで治療をするか。毎日が出口の見えない暗いトンネルのよう。未来はあるか。希望はあるか。いつも自分に問いかける。息子の前では笑い、心で泣いている。抜けてゆく髪の毛。薄くなった頭を見て、知ってゆく。時間の早さ。息子の辛さを鏡は見せない。だけど私は笑う。だって子は親の鏡だから。私が笑えば、きっとこの子も笑える。最近あおむしの絵本を読んでやる。私はウフフ。息子はクックック。そうやってふたりで笑う。本当に、本当に宝のような時間。そして分かったことがある。あおむしは最後に、守ってくれたサナギを置いて蝶になる。きっと息子も最期は私たちを置いて蝶のように飛んでゆく。だけど寂しくないと息子は言う。なぜならきれいな蝶は綺麗な花に止まるから。きれいな花の蜜はきっと甘い。だから嬉しいと言う。未来は無いと思ってた。先は暗いと思ってた。でも違った。この子が前を向いている限り、未来は明るい。私も蝶になるまで、前を向こう。それが、私の「未来」になるから。きっと、ずっと、いつまでも。

埼玉県所沢市 小松崎ゆみさん 35歳

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