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平成作文~未来へ

作文応募期間:令和元年5月15日~6月30日

わが家の農業経営

しばらく前に、中日新聞に「斑点米」に関する記事が載った。斑点米になると米の等級が下がり価格が下がる。そのため農家は農薬を使っているが、現在は精米時に色の付いた米を除けるので、1等米の着色粒0.1%の基準を下げてほしいという内容だった。同じ新聞に除草剤による健康被害についての記事もあった。兼業農家の経験から言わせてもらうと、現在の市場経済の下では農薬も除草剤も必需品である。我が家の米作りは、田植え時の農薬と1週間後の除草剤だけで、カメムシの食害の斑点米が混じる。世の中の「有機米」より農薬は明らかに少なく、より安全な「ハザ掛け米」を食べている。これまでわが家は、定年後の就農の予行演習として色々な作物を作ってきた。市場に出荷するのは玉ネギとミカンだ。参考にするために、市販のイチゴ、ビワ、イチジクを買って味の比較をしたこともある。分かったことは、基準どおりに農薬を使わないと、高値で売れる見栄えのよい作物はできないということである。一方で、味はわが家の方が数段上のように感じた。特に完熟のイチジクが食べられるのは生産者の特権である。今年はタマネギに時間を取られて、ミカンは剪定ができず春先の農薬散布ができなかったので、病気が出て売り物が大幅に減った。タマネギねぎのように1年で完結するものはまだよいが、ミカンのような永年性のものは積み重ねである。農薬散布を怠ると、後からひどい目に遭う。放射線と違って、農薬などの化学物質は「閾値」があるので、健康被害はほとんどないとされているが、生産者の特権で自家消費分は農薬を控え、出荷分は基準どおりに農薬を使って見栄えの良いものを作り、収益を上げようと思っている。

愛知県東海市 久野容一さん 61歳

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